信濃錦タイトル画像

はじめに
防腐剤無添加酒の開発
酒造好適米全量使用と契約栽培
純米酒へのこだわり
 純米酒100%蔵
信濃錦の味わい
顔のみえるということ
最後に
────────
主要製品のご案内
お求めは
蔵元情報

 「酒屋万流」と云われ、酒の造り方は蔵元によって皆違います。しかし、幾ら法律で認められているからと云え、戦時中の米不足を補う窮余の策としての増醸方法を、今もって良しとしている蔵が多いのは、残念です。日本酒本来の豊かな香りと味わいは、決して糖類や酸味料での味付けでは造り得ません。
 それはもう日本酒と云えず、合成酒と云うべきものではないでしょうか。
 確かに、少量のアルコールは香りを引き出して口当たりをスッキリとさせてくれます。しかし、過ぎたる量は増量以外の何物でもありませんし、糖類や酸味料での味付けは、日本酒が日本酒である事を放棄しているようなものです。
 信濃錦では、昭和47年より糖類の使用を一切止め、平成3年より純米酒・吟醸酒・本醸造酒といった特定名称酒のみの製造に移行し、平成18酒造年度の造りより全ての仕込みを純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒といった純米醸造酒としています。

 純米酒100%蔵
 平成9年のことになりますが、地元の方々を中心として、信濃錦を柱商品として戴いている日本酒専門店様にお集まり戴き、私共の酒造りにつきましてお話を伺った事があります。
 当時、私共では製造酒の約5割が純米酒となっており、一気に「純米酒100%蔵」に突き進もうと考えていました。既に、埼玉の「神亀」や兵庫の「富久錦」など、純米酒のみを製造する蔵はありましたが、平成3年に全てを本醸造以上の特定名称酒として以降、私共にとりまして次なる目標は「純米酒100%」でありました。
 それまで本醸造で造っていた酒を純米規格で造るという事は、コストの上昇以外にも、味わいの大幅な変更を意味し、長年ご愛飲戴いているお客様にお叱りを戴く危険もありますので、酒販店様のご意見をじっくりとお聞きしたかったのです。
 私共では「純米酒100%蔵」へ向けて議論を進めようと考えておりましたが、酒販店様の受け止め方は違い、「純米酒100%」にこだわるよりは、原料米の契約栽培にこそエネルギーを注いで欲しい、とのご意見を頂戴致しました。時代は純米酒の方向へ進んでおり、「信濃錦」ならば、遠からず自然な成り行きで「純米酒100%蔵」になるだろうが、契約栽培は蔵元の強い意志無くしては進まないよ、と。
 またその中で、「安心な酒」を志すのであれば、農薬を普通に使用して栽培された米を用いた純米酒と、農薬の使用を極力抑えて栽培された米を用いた本醸造酒では、人体に対する負荷はどうであるのか考えてみる必要があるのでは、という話が出て参りました。
 本醸造で用いられる「醸造アルコール」は、主に雑穀類を原料としてアルコール醗酵させ、それを多段式蒸留器で蒸留したものです。原料の雑穀類には残留農薬がありますが、物理化学的見地からして、たとえ1回の蒸留操作でもかなり純度が高めらる事を考えますと、多段式蒸留器を用いた場合は、醸造アルコールへの残留農薬の混入はほとんど無いと考えても構わないと思われます。
 逆に、純米酒の場合には、米に残留する農薬などは本醸造に比べ薄まること無く酒に残ります。つまり、純米酒は原料米を吟味しなければ、却って「ピュア」な酒では無くなることにもなる訳です。

 私共は、眞の「安心」を追求する中で、単なる「純米酒」がゴールでは無いことに気付きました。
 私共が成すべきは、より安心して使うことのできる、高品質な酒米の確保です。
 その年を境として、契約栽培米の拡大をより積極的に展開することとなりました。

戻る  「はじめに」へ  このページの先頭へ




Copyright (C) by Miyajima Brewery Co.,
All rights reserved.