山の紅葉も殆ど終わり、あとは雪の季節を待つばかりの10月下旬、サントリー「南アルプスの天然水」のCMで宇多田ヒカルが登った山として知られるようになった 栗沢山(標高2,714m) から撮影しました。
この日は天候は安定していたものの高曇りしており、遠方の山々はガスの中に沈んでしまい、残念ながら眺望という点では十分とは言えませんでした。
栗沢山は伊那市からは東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)と仙丈ヶ岳の間に見え、ともすると駒津峰、双児山の続きのピークとして間違えられることもありますが、実際には東駒ヶ岳とは仙水峠を挟んで反対側にあり、山頂からは南アルプスのプリンスとも称される東駒ヶ岳の圧倒的な姿を眺められる絶好のポイントです。
この山は鳳凰三山へと連なる早川尾根の北端に位置し、すぐ南側には早川尾根最高峰である アサヨ峰(標高2,799m) が迫り、富士山(標高3,776m) こそアサヨ峰に遮られているものの、地蔵ヶ岳(標高2,764m)のオベリスクや、仙丈ヶ岳(標高3,033m) の姿を楽しむことができます。
また南側には、北岳(標高3,193m) を始めとする南アルプスの山々が望め、仙丈ヶ岳から 塩見岳(標高3,052m・東峰) 至る 仙塩尾根 の長大な連なりや、この写真では雲の中に霞んでいる、中央アルプスや北アルプスの山々も眺めることができます。
登山道は、アサヨ峰側からの縦走路の他に、北沢峠からは 南アルプス市の長衛小屋(旧・北沢駒仙小屋) の南側の橋を渡って直ぐ右手から尾根伝いに登るルートと、仙水峠から東駒ヶ岳に圧倒されながら直登するルートがあります。
さらにアサヨ峰まで足を伸ばせば、標高が上がることもあり、栗沢山からは東駒ヶ岳に隠されていた八ヶ岳の全貌や、富士山の姿を望むことができ、更に素晴らしい眺望を楽しむことができます。
北沢峠 周辺には、
北沢峠こもれび山荘(旧長衛荘) を始めとして、
大平山荘、
馬の背ヒュッテ、
仙丈小屋、
南アルプス市長衛小屋(旧 北沢駒仙小屋)、
仙水小屋などがあります。