南アルプスと中央アルプスに挟まれた、信州伊那谷の酒蔵『信濃錦』の蔵元、宮島敏です。

 酒蔵としての創業は1911年。
 それ以前に米屋を営んでいたのが始まりです。
 以来、連綿と受け継がれてきた原料米へのこだわりと、口に入るものを造り出すことへの責任を強く感じながら、100年以上の歳月を重ねて参りました。

 私の趣味は山に登り星空を眺める事です。仲間と励まし合いながら長い山道を登るのは、苦しくもあり、また楽しくもあります。
 そして山の頂きから見渡せば、更に高い頂きがあり、例え低い山でも個性的で魅力的な山々があることに気付きます。
 また降るような星空は、深遠なる宇宙の神秘を感じさせてくれます。


 地元の農家と語り合い、お客様と共に田圃で泥にまみれて四半世紀。
 多くの方々に励まされながら、最近ようやく自分のするべき仕事が見えてきたように思えます。
 私は、命の営みの神秘を畏れながら食品メーカーであることの基本を忘れずに、『土着の蔵』として信州の風土に根差した個性的な酒蔵であり続けたいと考えています。

 「お客様に安心して心ゆくまで日本酒を楽しんで戴きたい」という思いが、信濃錦の酒造りの心です。
 防腐剤無添加酒の開発以降、酒造米の契約栽培、全量純米醸造酒へと歩んで参りました私共の酒造りへの思いをお伝え致します。

 純 米 醸 造 酒 へ の 歩 み

 父・宏一郎は、祖父・秀一を肝臓の病で亡くしました。それが当時日本酒に使われていた防腐剤「サリチル酸」との戦いの始まりです。
 昭和42年に日本で初めて全ての製品からサリチル酸を駆逐し、昭和47年に特許を取得(のちに無償公開)。

 昭和50年代に入り長野県で新たな酒造好適米「美山錦」が開発され、伊那谷が栽培適地であったため、父は率先して「美山錦」を購入。昭和57年には全ての酒造米が酒造好適米となりました。
 しかし酒造好適米といえど、一般栽培米は農協で混ぜられ均一化されます。私は農家の方々の顔が見えてこその安心なのではないかと考え、平成3年より農薬を減らす形で酒造米の契約栽培を開始。程なくして無農薬栽培も始め、平成17年には全ての酒造米が契約栽培となりました。
 無農薬栽培の苦労は、ひと言で言えば雑草との戦いです。合鴨農法や布マルチ農法など様々な方法がありますが、中山間地では「手取り」に勝るものはありません。
 もう20年以上続けております無農薬栽培田での「草取り援農の会」。命を育む田圃の泥の温もりを感じに、お出でになりませんか。


 私は、地元農家の方々に丁寧に栽培して戴いたお米から生み出された豊かな旨味を、醸造アルコールで薄めてしまうことは、もったいないと考えています。
 そのため契約栽培の拡大にあわせて副原料の使用量を減らし、平成18年の造りより全ての仕込みを純米醸造酒としています。

 目 指 す 味 わ い

  私が追い求めている「信濃錦」の味わいは、食事と相俟って互いに引き立て合う「芳醇辛口」です。
 米の豊かな旨味と適度な酸。そして後味はさっぱりとしてキレが良い酒は、お酒も食事も引き立て合い、味わいが一層広がります。


 そのためにこそ必要なのは、地元の良質米であり、その良質米の芳醇な旨味を最大限に感じさせるのは「純米醸造酒」であると考えています。
 私共にも甘口の純米酒や純米吟醸酒がありますが、そのようなお酒でも甘味と酸味の調和を心がけ、香りも控えめとしてお料理の邪魔をしないよう、仕上げに心を砕いています。
 近年は若く華やかな酒質が好まれる傾向にありますが、熟成した穏やかな味わいも大切にしています。

 あ ま 酒


 さて、冬場に温めて飲まれることの多い「あま酒」ですが、夏の季語であることをご存知でしょうか。
 麹の力でお米のデンプンを糖化するタイプのあま酒は、酒粕を用いるものとは違ってアルコール分を含みません。また糖分の殆どがブドウ糖で、砂糖の重い甘さと違い、その甘味は爽やかでキレが良く、甘いのにさっぱりとしています。
 昭和40年代から作り続けている私共の製法では、昔ながらに蒸米と米麹を用います。そのため製造時期は蔵人が麹を造り米の蒸しができる10月からの半年間に限られます。
 できる限りの生産を行っておりますが、夏場は品薄となりますことをお許しください。

 夢

 私の夢は、あの山に登ることです。
 いつしか全ての酒造米を「無農薬栽培」としたい。
 それが、私が憧れてやまない山の頂きです。
 そんな山には登れるはずが無い、誰からもそう言われます。
 酒造米の全量契約栽培に至るまで15年、全量純米醸造蔵になると公言して10年。どれも最初は無理だと言われて歩んできました。
 様々な貿易協定の進行により、これからの米作りはより一層世界に通用することが求められています。
 それは酒造米だからといって例外ではありません。
 米屋に始まり防腐剤を駆逐した時に、この山を目指すことが運命づけられたと思えてなりません。
 私はこの山の高さを知りません。
 今はただ、雲の合間に霞んで見える頂きを見据えて、この山に登るルートを探し続けています。
 次の時代を担う者達に一本筋の通った蔵として渡したい。それが私の仕事だと思っています。
 私の代で、その頂きまで登れるでしょうか。


 一年のうちに幾度か山に足を運ぶ私にとりまして、契約栽培米のみを用いて純米醸造酒のみを醸している現在の立ち位置は、目の前に幾つもの秀峰が聳え立つ北アルプスの涸沢カールのようにも感じられます。
 あくまで 「酒」 の山を目指す中で、現在の立ち位置にベースキャンプを設けて、目の前に聳える「農」 の山や「食」 の山の一つひとつに、楽しみながら挑戦して行きたいと考えています。


本文中にある「無農薬栽培」とは、栽培期間中に農薬及び化学肥料を一切用いない栽培法を意味しています。

 西 駒 山 荘

 さて、私共の蔵がある伊那市は、中央アルプスから南アルプスまで続いており、その中に山小屋も点在しています。
 今回はその中から、中央アルプスの 「西駒山荘」 をご紹介します。


 西駒山荘では、私共の杜氏・宮下拓也が長く小屋番を務めておりますが、中央アルプス北部、標高2730mの将棊頭山(しょうぎがしらやま)の直下にあり、平成26年の夏に建て替えられ、歴史ある石室と真新しい建物のコントラストが楽しい山小屋です。
 喧騒から離れ落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと美しい夜空を見上げることができます。
 西駒山荘では彼が醸した純米辛口などを、杜氏自らの説明付きでお楽しみ戴けます。
 伊那の山々にお越しの際は、是非、純米醸造酒 「信濃錦」 でお寛ぎ下さい。


西駒山荘直通電話:090-2660-0244

 長 野 県 伊 那 市

 長野県伊那市は諏訪湖の南30kmほどに位置し、東には南アルプス、西には中央アルプスが聳え立ち、市の中央を天竜川が流れ下っています。
 平成の大合併により、東隣の高遠町とそれに続く長谷村と合併し、人口こそ7万人弱ではありますが、面積としては長野市、松本市に次いで県内でも3番目に広い市となりました。
 寒暖差のある涼やかな気候と清冽な水に恵まれて、果樹栽培や畑作はもとより、県内でも有数の米どころとして酒米の生産も盛んに行われています。
 中央アルプスは西の将棊頭山まで、南アルプスは北より守屋山、入笠山、東駒ケ岳(甲斐駒ケ岳)、仙丈ケ岳を経て南の塩見岳までを擁し、二つのアルプスをつなぐ中核市として山岳観光に力を入れています。


 イ ベ ン ト

 南アルプスで信濃錦を呑む会 in こもれび山荘
 ・内容 晩秋を迎えた南アルプスの山小屋で、
     本格的なお料理と純米醸造酒のマリア
     ージュを愉しみませんか。小屋に向か
     う林道で真っ盛りの紅葉を楽しみ、お
     料理とお酒を堪能した後は、星空観察
     会も企画しています。前後には山に登
     るもよしハイキングを楽しむもよし。
     北沢峠へは長野県伊那市営林道バス、
     もしくは山梨県南アルプス市営バスに
     てお越し下さい。こもれび山荘はバス
     停から徒歩1分。登山をされない方は
     特別な装備は必要ありません。歩きや
     すい靴と、夜間は氷点下になりますの
     ので防寒着を忘れずにお持ち下さい。
 ・日時 2017年10月21日(土) 17:00〜
 ・会場 北沢峠 こもれび山荘
 ・会費 1泊2食 12,000円(税込)
     ※こもれび山荘での宿泊が前提です。
      現地集合・現地解散です。また前後
      の山行も含め、全て自己責任にて。
 ・申込 北沢峠こもれび山荘
     TEL.080-8760-4367 (直通電話)
 ・過去の模様
  2016年の模様
  2015年の模様

 リ ン ク

 こんにちは 信濃錦 蔵元です
 信濃錦 ホームページ
 信濃錦 蔵元休日案内
 信濃錦 蔵元地図
 お ま け

 山のパノラマ写真集 [New]
 社長のヤマレコ


〒396-0025 長野県伊那市荒井3629番地1
日本酒 信濃錦 蔵元 合資会社 宮島酒店
TEL.0265-78-3008 FAX.0265-78-9492
Copyright (C) by Miyajima Brewery Co.