圧倒的な高気圧のパワーにより、晴天が続いていた2018年の7月下旬。久しぶりにPM2.5がとても少ない一日との予報が出たため、山頂からの全周パノラマの撮影を目論んで仙丈ヶ岳を目指しました。
出発が遅く朝9時過ぎからの登山となったため、小仙丈ヶ岳を過ぎた11時頃には雲が湧き始めてしまい、きっと山頂ではガスに巻かれるのではと予想して山頂での撮影は断念。
既に北アルプス方面には積雲がまとわりつき、目前の東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)のそばにも積雲が湧き始めていたため、急いで撮影ポイントを探しました。
八ヶ岳が鋸岳〜東駒ヶ岳の稜線に被ってしまわないよう、また小仙丈ヶ岳でアサヨ峰が隠されないよう、少し仙丈ヶ岳寄りの小高い場所を確保し撮影を開始。
これより仙丈ヶ岳に寄ってしまうと、南アルプスの南端部や中央アルプス主要部の南端である越百山(こすもやま)が隠れてしまうため、この位置がギリギリのポイントと考えました。
残念ながら北アルプスの主要な山々が雲に隠れてしまい、山名表示が白三角(▽)となってしまいましたが、それでも近くの山々はくっきりと捉えられ、見応えあるパノラマ写真になったと思います。
仙丈ヶ岳(標高3,033m)は南アルプス北部にあり悠然とした山容から「南アルプスの女王」と呼ばれ、長大な 仙塩尾根(せんしおおね) の起点でもあります。
「プリンス(貴公子)」と呼ばれる東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)や北岳、鳳凰三山より一歩引いた西側に位置するため、山頂よりそれらの山々や南アルプス南部の山々を一望できます。
また北岳の左側には富士山が均整の取れた姿でたたずみ、間ノ岳と合わせて、標高第1位から2位、3位の山々を一つの視野の中で捉えられる絶好の展望地といえます。
登山道は 北沢峠 から 小仙丈ヶ岳(標高2,864m) を経て山頂に至るルートが一般的ですが、大平山荘 の裏手から沢づたいに登る「藪沢新道」や、馬の背 側を尾根づたいに登る「丹渓新道」、伊那市長谷市野瀬から登る「地蔵尾根ルート」などがあり、登山シーズンには伊那市側からも南アルプス市側からも、北沢峠までの林道バスが運行されています。
北沢峠 を中心としたこのエリアには、
北沢峠こもれび山荘(旧長衛荘) を始めとして、
大平山荘、
馬の背ヒュッテ、
仙丈小屋、
南アルプス市長衛小屋(旧 北沢駒仙小屋)、
仙水小屋などがあります。