梅雨の最中の6月下旬に、南アルプス北岳の吊尾根上部より撮影しました。
2018年の関東甲信地方の梅雨は観測史上最速の梅雨明け(6月29日・平年より22日早い)となりましたが、この日も梅雨時とは思えないほどの快晴となり、終日山歩きを楽しむことができました。とはいえ、この時点ではまだ梅雨前線は南海上に停滞しており、その北端の雲が画像からも確認できます。
梅雨明けの早さはもちろんですが、2018年はどの山でも雪が少なく、季節が2週間から1ヶ月以上も早く進んでいる印象でした。
例年は6月下旬から7月初旬に最盛期を迎える北岳の固有種「キタダケソウ」もこの時点で既に終期を迎えており、一面に咲き乱れる「ハクサンイチゲ」の中に盛りを過ぎたキタダケソウの株を捜し歩きました。
前日より「
白根御池小屋」に入り、朝4時半に小屋を出発し、二俣よりアイゼンを装着して大樺沢の雪渓を登り切ったのが6時40分。そこで雪渓と鳳凰三山をながめながら朝食を取り、八本歯のコルに到着したのがコースタイムピッタリの7時40分。重い撮影機材を背負った割にはマズマズのペースでした。
八本歯のコルからは、八本歯ノ頭の稜線のために富士山が遮られてしまうため、少し上のトラバースルートとの分岐まで登って撮影しました。
間ノ岳の雄大な山容はもとより、霞の中にゆったりと均整のとれたシルエットを見せる富士山まで、ずっと眺めていたい景色です。右下に見える山小屋は「
北岳山荘」です。